現在、秦野市と伊勢原市で構成する一部事務組合、秦野市伊勢原市環境衛生組合で、秦野斎場をリニューアルする計画が進められています。
二市組合が運営する秦野斎場は、昭和五十一年に建設され、これまでに数度の改修を経て、現在は火葬炉五炉、待合室五室体制で両市の火葬業務を担っています。しかし、建設から今年で三十九年目を迎え、設備の老朽化や建物の一部に劣化が見られ、また、今後の高齢化の進展に伴う火葬件数の増加に、今の五炉では対応が困難になることが想定されています。
計画では、将来、火葬炉は八炉必要としながらも、当面は七炉(プラス一炉予備スペース)とし、排ガスはバグフィルター等の集じん装置で処理しますので、現斎場のような高い煙突はありません。工事は段階的に実施し、はじめに現在の駐車場内に火葬炉七炉(一階)、待合室(四室)(二階)の火葬炉棟を増築します。次に現火葬炉棟を解体し、さらに現待合室のうち四室を改修します。待合室は合計八室となります。
現在、二市組合では、平成二十八年度中の着工を目指して基本設計を進めています。今後、順調に進めば、平成二十九年度に増築火葬炉棟は完成し、既存待合室を改修後に、全面供用開始できるのは平成三十一年度を見込んでいます。
火葬施設は、故人との最後の別れの場であり、悲しみに暮れる遺族の心に寄り添い、温かく包む施設であってほしいと考えます。そのためにも、市民の視線に立った施設の検討を強く望みます。また、昨今、大都市では増える火葬需要に対応できず、長期間の火葬待ちも生じているとマスメディアは報じています。「高齢化社会」の次に訪れるのは「多死社会」とも言われています。今後、本市でも増加が見込まれる火葬需要に、しっかりと対応できる体制を整えることも行政の重要な役割でありますので、着実に事業の進捗が図れるよう、一層の努力を注いでほしいと思います。
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