2016年4月4日月曜日

平成28年秦野市議会第1回(3月)定例会の概要報告

 平成28年第1回定例会は、去る225日から324日を会期日程として開催されました。市長からの提案された議案等は、平成28年度各会計予算案6件、条例の制定案5件、改正案15件、不動産の無償譲渡1件、平成27年度補正予算案5件、報告事項2件、人事案件3件の、合わせて37件です。
また、議員提出議案2件、委員会提出議案2件を審議いたしました。

【主な内容】
≪平成28年度施政方針概要:古谷市長の新年度の市政に臨む基本方針と所信表明≫
市長は、平成28年度予算及び諸案件を市議会に提案するに当たり、市政に臨む基本方針を述べた。以下、施政方針の一部抜粋。
国においては、これまでにない危機感を持って、人口減少の克服と地方創生に取り組んでいます。
本市では、市民との協働により、策定に取り組んでまいりました総合計画後期基本計画が、新年度からスタートいたします。この計画は、市制施行以来、初めてとなる人口減少の中での計画であります。
人口減少は、経済の縮小や地域活力の低下などをもたらすと言われており、市政運営における大きな課題であることは十分に認識しています。そのうえで、私は、臆することなく、選択と集中を基本姿勢として、市民力・地域力を生かしながら、これまで多くの先人と共に育んできた「人と人のつながりを大切にする豊かな心」、「四季折々に豊かな表情を持つ丹沢の恵み」、「鉄道4駅と高速道路インターチェンジを生かした快適で利便性の高い住環境」といった「秦野らしさ」に磨きをかけ、厳しい財政状況の中において、あれもこれものまちづくりではなく、市民と行政が本市の将来像を共有し、適切な役割分担と連携による「質の高いまち」を目指してまいります。
私は、市長に就任して以来、財政運営においては、プライマリーバランスの黒字維持を第一に考えてきましたが、新年度は、これまでの都市基盤整備を更に推し進めるため、今年度に引き続き、プライマリーバランスは赤字の予算となります。
昨年7月の「新東名高速道路(仮称)秦野サービスエリア」へのスマートインターチェンジの設置の決定を、地域の活性化を促進させる絶好のチャンスと捉え、本市の未来を考えたときに、今が積極的に投資すべき時期であると考えた次第であります。
こうしたことから、平成28年度予算は、「未来へつなぐまちづくりを前進させるための予算」として編成をいたしました。
平成25年度以降、4年連続で最大規模の予算になりますが、本市が「将来にわたり輝き続ける都市」であるために、強い意志を持って、その礎を築いてまいります。

≪平成28年度秦野市一般会計予算を定めることについて
一般会計の歳入歳出予算の総額は、4977,000万円であり、前年度に比べ89,000万円、1.8パーセントの増となっております。
歳入では、個人市民税は、年金所得者が増加する一方で、給与所得者の割合が減少する傾向にあることから、また、法人市民税は、法人税割の税率引き下げの影響から、昨年度に比べ、減収を見込んでいます。一方、固定資産税は、家屋の新築や増築が増加していることから、また、軽自動車税は、税率の引き上げの影響から増収を見込むため、市税全体では、昨年度と同額の2322,000万円といたしました。
歳出では、少子高齢化の進展に伴い、扶助費や繰出金が増加するとともに、鶴巻温泉駅南口周辺整備事業や秦野駅北口駅前広場の再整備などが進行することから、建設事業費は、昨年度に比べ6.4%の増となっております。
財政調整基金の取崩額は、昨年度に比べ35.4%減の108,600万円、地方債発行額は、5.4減の387,730万円といたしました。

≪平成28年度の主な事業≫
◇幼稚園一時預かり事業導入(事業費1,460万円:新規事業)
◇秦野駅南部(今泉)土地区画整理事業(51,033万円:新規事業)
◇消防署西分署整備事業費(事業費3,470万円:新規事業)
◇小児医療費助成事業(事業費44,825万円:事業拡大)
◇表丹沢野外活動センター「昔の生活学習館(仮称)」建設工事 (事業費4,310万円)
◇定住化促進住宅事業(事業費25,020万円)
◇鶴巻温泉駅南口周辺整備事業(事業費61,607万円)
◇おおね公園維持管理費(事業費:1630万円)

●その他の主な議案(市長提案)
 ≪秦野市行政不服審査法施行条例を制定することについて≫
 行政不服審査法が制定後、約50年振りに大幅に改正され、行政不服審査制度が見直されたことにより、市長の附属機関として設置する「秦野市行政不服審査会」の組織及び運営、審理手続を行う審理員となるべき者の職として設置する「法務専門調査員」の身分及び任期、同審査会委員及び同調査員の服務規定等を定めるため、制定するもの。
本条例の施行日は、「改正行政不服審査法」の施行日と同日の本年41日とするもの。

≪秦野市ふるさと基金の設置、管理及び処分に関する条例を制定することについて≫
はだのふるさと寄附金として、本市の発展のために全国の寄附者から寄せられた寄附金を活用し、まちづくりに役立てることを目的とした基金を設置するため、制定するもの。本条例の施行日は、公布の日とするもの。

≪秦野市定住化促進住宅条例を制定することについて≫
 本案は、平成2612月に取得し、現在建物の改修工事を行っている民間企業の旧社員用住宅について、若年夫婦及び子育て夫婦を対象とした定住化促進住宅「ミライエ秦野」として設置するため制定するもの。また、その入居者が本市内での住宅購入に伴い住戸を退去した場合には、その費用の一部を助成することとするもの。なお、本条例の施行日は、規則で定める日とするもの。

≪秦野市立幼稚園入園料及び保育料徴収条例の一部を改正することについて≫
本年1月に策定した「秦野市公立幼稚園運営・配置実施計画」に基づき、本市公立幼稚園保育料の適正化を図るため算定方法を見直し、保育料の額を月額8,800円から9,800円に引き上げるとともに、子育て世帯の負担軽減を図るため、所得や世帯構成に応じた保育料体系とするため、改正するもの。
なお、本条例の施行日は、平成2941日とし、入園料及び保育料の額の算定及び通知について必要な行為は、この条例の施行の日前においてもすることができることとするもの。
  
≪秦野市小児等医療費の助成に関する条例の一部を改正することについて≫
  通院に係る医療費の助成について、対象児童を小学6年生まで拡大するため、改正するもの。
なお、本条例の施行日は、本年101日とするもの。
 
≪平成27年度秦野市一般会計補正予算(第5号)を定めることについて
○公共施設整備基金には、旧渋沢保育園用地売払い収入など 11,1501千円を追加
○新設するふるさと寄付金には、ふるさと寄付金 13,0212千円を追加
○国の補正予算に伴い、セキュリティ強化のためのネットワーク環境の構築を行うため3,638万2千円を追加
○国の補正予算に伴い、臨時福祉給付金給付事業経費として、低所得の高齢者に対し、一人3万円の給付金を支給するため、42,1726千円を追加

≪平成27年度秦野市一般会計補正予算(第6号)を定めることについて:追加補正議案(3月定例会議会最終日に提案された議案)≫
平成27年度の国の補正予算(地方創生加速化交付金)を活用する4の事業 を補正するもの
○映画「じんじん秦野編」応援経費 1,832万円
○映画「じんじん秦野編」が、本市が誇る里地里山を盛り込んだ内容となることから、事業間連携を図り、里地里山保全再生活動を新たな観光資源とすることを目的に、「はだの里山保全再生活動団体等連絡協議会」に対し、森林ツーリズム等の実施に向けた取り組みの経費を補助するとともに、秦野市観光協会に事業の宣伝広報を委託するため、300万円
○伊勢原市、厚木市と共に三市共同大山通信環境整備事業費として、大山地域においてWⅰFⅰアクセスポイント増強設置費 1,400万円
○農業経営基盤強化促進事業費として、国の総合的なTPP関連政策大綱における担い手支援事業として、農業者の経営発展を支援するための補助制度が創設されたことから、本市の農業者が農業用機械を導入する経費の一部を補助 408万円

[人事案件]
≪副市長の選任≫
金丸 美彦副市長が331日をもって辞職することとなったため、副市長を選任する人事案は、現議会事務局長である宮村 慶和氏が賛成多数により同意されました。

≪公平委員会の委員の選任≫
今月末で任期満了となる公平委員会の委員の石田 清彦氏を再任する人事案が同意されました。

≪固定資産評価員の選任≫
金丸美彦固定資産評価員が本年331日をもって辞職することとなったため、後任の評価員に、宮村 慶和を選任する人事案が同意されました。

○議員提出議案[議定議案]
 ≪北朝鮮の核実験及び長距離弾道ミサイル発射に抗議する決議≫
  北朝鮮の核実験及び長距離弾道ミサイル発射に対して断固抗議し、国においては、引き続き、国際社会が北朝鮮に対し、核開発を断念することを強く求めるとともに、北朝鮮による拉致、核及びミサイル問題の包括的解決に向け、早急かつ慎重に対処するよう要望するため、決議するもの。

 ≪奨学金制度の充実等を求める意見書の提出について≫
 大学生等が安心して学業に専念できる環境を作るため、無利子奨学金を拡充するとともに、より柔軟な所得連動返済型の奨学金制度を早期に実現すること、低所得者向けの給付型奨学金の創設、また、大学等の授業料減免制度の充実や学費の引き下げを図るよう、衆院議長・参院議長、内閣総理大臣をはじめ、関係大臣に意見書を提出することとしました。

[陳情審査]
前定例会から継続審査となっている陳情
≪市職員による背信行為、不作為の行為、隠蔽行為を調査し市長に懲戒処分の要請を求める陳情≫
(株)ユニバーサル企画が農業用施設で違法に許可を受け大量の堆肥を保管し悪臭を発生させているので撤去勧告をするよう市長に要請することを求める陳情
  いずれも、前定例会から継続議会審査となっていた陳情で、環境都市常任委員会で審査しましたが、賛成少数により不採択すべきと決定し、本会議報告され審議した結果、賛成少数で不採択となりました。

≪精神障がい者への交通運賃割引制度適用について国に意見書提出を求める陳情≫
 今定例会で文教福祉常任委員会に付託された陳情で、賛成全員により採択すべきと決定し、本会議に報告され審議した結果、賛成全員で採択となました。
⇒委員会提出議案①へ
  [委員会提出議案]
  文教福祉常任委員会から提出された精神障がい者への交通運賃割引制度適用について国に意見書提出を求める意見書の提出について」は、本会議での審議で、賛成全員で可決し、衆院議長・参院議長、内閣総理大臣をはじめ、関係大臣に意見書を提出することとしました。


自民党・ 新政クラブ 代表質問発言通告    持ち時間 150

1 市長の政治姿勢と市政運営について
2 地方創生と総合計画について
 (1) 地方版総合戦略と地方版人口ビジョンについて
 (2) 総合計画の想定人口について
 (3) 人口減対策について
3 財政運営の考え方について
4 豊かな自然・良好な住環境づくりについて
 (1) 鶴巻温泉駅南口周辺整備事業について
 (2) 秦野駅北口周辺のまちづくりについて
 (3) 秦野駅南口の土地利用について
 (4) 東海大学付近の市道 433 号線の急階段にエスカレ ーター
を設置することについて
 (5) クリーンセンター周辺整備事業について
5 未来につなぐ出産・子育てについて
 (1) 産み育てる環境づくりについて
(2) 学び育つ教育環境づくりについて
(3) 総合教育会議について
(4) 秦野版コミュニティ・スクールについて
(5) 西中学校体育館と西公民館の複合化について
(6) 表丹沢野外活動センターの整備について
(7) 子育て応援社会づくりについて
(8) 定住化促進住宅について
6 安全・安心で人との絆を大切にするまちづくりにつ いて
 (1) 災害や犯罪に強いまちづくりについて
(2) 生きがいを持って安心して暮らせるまちづくりに ついて
7 にぎわいと交流を創出する地域経済活性化について
 (1) 地域資源を生かした活力ある地域づくりについて
 (2) 魅力ある観光地情報の発信について
 (3) 花のある観光地づくりについて
 (4) 秦野サービスエリア
(仮称)スマートインターチ ェンジを生かした周辺土地利用について
 (5) 本市の地域資源である名水の活用策について
(6) 映画「じんじん」秦野版について
(7) 秦野丹沢まつりについて
8 組織及び職員採用のあり方について


代表質問 議会報より    自民・新政   小菅 基司 
一 地方創生と総合計画について
問 市制施行以来初となる人口減少を迎えた中で総合計画後期基本計画や
地方版総合戦略など策定中だが、人口減少を食い止め、将来にわたり輝き 続ける都市とするための市長の思いはどのようか。
答 人口減少、少子高齢化の進展は、本市が直面する重要課題である。陸の玄関口としての交通の利便性を生かした企業誘致や近隣市より充実した子育て支援に、引き続き、取り組んでいきたい。
二 財政運営の考え方について
問 長年、プライマリーバランスの黒字維持を最優先としてきたが、平成27年度に続き、プライマリーバランスは赤字の予算である。2年連続で赤字にしてでも積極予算とする意義はどのようか。
答 新東名高速道路秦野サービスエリア(仮称)へのスマートインターチェンジ設置は、地域経済の活性化につなげる絶好のチャンスである。単年度のプライマリーバランスを赤字にしてでも、積極的に投資すべきと判断した。
三 豊かな自然・良好な住環境づくりについて
問 鶴巻温泉駅南口から県道をまたぐ、ペデストリアンデッキの完成後は、ひかりの街へ人の流れができ駅前の空洞化が懸念されるが、駅前活性化の考えはどのようか。
答 鶴巻温泉駅南口まちづくり協議会を中心に、鶴巻地区の協力を得ながら行政と地域が協働し、活性化に向けた、取り組みを進めていく。
問 東海大学付近の市道433号線の急階段へのエスカレーター設置工事における歩行者への安全対策と完成時期はどのようか。
答 施工場所から西へ約50㍍のところにある階段を迂回路とし、平成28年度中の完成を目指す。
四 未来につなぐ出産・子育てについて
問 妊娠、出産から子育てまで切れ目ない支援をしているが、平成28年度の取り組みはどのようか。
答 27年度に設置した子育て世代包括支援センターの増設や母子保健コーディネーターの増員など支援施策を一層充実し、子育て世代の不安解消を図っていく。
問 若い子育て世代の定住化を目的とした定住化促進住宅に、保育所や病児・病後児保育機能を併設すれば、子育て世代のニーズにかなう住宅になると考えるがどうか。
答 認可保育所では、定住化促進住宅の入居者が優先的に入所できないため、親子の交流や育児相談のできる場としてぽけっと21を設置する。また、病児・病後児保育は、医師や看護師が常駐する医療機関での実施が望ましいと考える。
五 にぎわいと交流を創出する地域経済活性化について
問 秦野丹沢まつりの内容が大きく変更され、米倉丹後守子供大名行列などの伝統行事が廃止されるが、市長の考えはどのようか。

答 第60回の節目に当たり、祭りを盛況に開催するため検討委員会で議論を重ねた。子供大名行列は参加者の減少や費用などを考慮し廃止との結論に至った。委員会の結論を尊重したいと考えている。