平成24年第1回定例会は、去る2月24日から3月23日を会期日程として開催されました。
提案の案件は、平成24年度各会計予算案6件、条例の制定案1件、条例の改正案6件、
工事委託に関する協定の変更案2件、平成23年度補正予算案3件、報告事項7件の合わせて、25件です。
また、追加議案として、人事案件2件(副市長・公平委員会委員の選任)がありました。
【主な内容】
≪平成24年度施政方針概要≫
市長は、二期目の折り返しである2年が過ぎました。新年度からは、いよいよ後半に入ります。
昨年は、千年に一度と言われる東日本大震災の惨禍に見舞われ、多くの尊い命が失われる未曾有の災害が起こりました。
こうした背景を受け、平成24年度予算を「防災対策と子育て支援に力点を置いた予算」として編成しました。
予算規模(一般会計)は、前年度に比べて9億9,000万円減額し、445億4,000万円となりました。
特別会計を含めた6会計全体の予算総額は、835億8,600万円、前年度に比べ0.4パーセントの増額となっています。
≪平成24年度の主な事業/子育て支援、防災対策≫
◇4月からコンビニ収納の取扱いを開始( 取扱いできる税金、公共料金は下記のとおり)
市・県民税、軽自動車税、固定資産税、都市計画税、国民健康保険税、保育所保育料、家庭保育保育料、児童ホーム利用料、水道料金・下水道使用料、介護保険料
◇秦野市水道局お客様センター開設4月2日~(水道料金業務を民間業者に包括委託)
◇小児医療費助成の拡大(事業費3億8612万円)
◇子宮頸がんワクチン等予防接種事業の継続実施(1億5218万円)
◇水道水や給食の放射性物質検査の実施(事業費2811万円)
◇家庭保育委託費(保育ママ)の拡充(事業費2126 万円)
◇不育症、特定不妊治療費助成の開始(事業費795万円)
◇保健福祉センター内への郵便局誘致による証明書発行業務の開始(事業費113万円)
◇水道施設の耐震化及び防災力の向上(事業費8億10万円)
◇木造建築物耐震改修等補助金(耐震診断)の補助率引上げ(事業費835万円)
◇自主防災会活性化補助金の増額(事業費538万円)
●主な議案
[第2次一括法関連]
≪秦野市墓地等の経営の許可等に関する条例の制定≫
県から市町村への事務・権限の移譲を規定した「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第2次一括法)」による「墓地、埋葬等に関する法律」の一部改正により、墓地及び埋葬等の許可事務が県知事から市長に権限移譲されること伴い、本市において墓地等の経営許可の手続、構造・設備の整備基準について定めるものです。
本条例の施行日は、本年4月1日です。
≪秦野市立図書館条例の一部を改正≫
第2次一括法による「図書館法」の一部改正により、図書館協議会の委員の任命基準について、図書館を設置する地方公共団体の条例で定める必要が生じたため、改正されました。
本条例の施行日は、本年4月1日です。
[小児医療費の助成に関する条例の一部改正]
子どもの通院に係る医療費助成が、本年10月から現在の6歳児までから、小学4年生までに拡大されます。
[秦野市障害者地域活動支援センター条例の一部改正]
民間活力の積極的な活用により障害者に対する活動機会を充実させるため、秦野市障害者地域活動支援センターひまわりで実施している事業を、本年4月から社会福祉法人に引き継ぐことに伴い、同センターを廃止するため、一部改正されました。
本条例の施行日は、本年4月1日です。
[秦野市介護保険条例の一部改正]
平成24年度から平成26年度までの3年間における65歳以上の介護保険被保険者の保険料率を定めるとともに、被保険者の負担能力に応じた、きめ細やかな保険料率の区分とするため、所得段階別の区分を現行の8段階から10段階に改め、併せて、低所得者層に対する軽減措置を設けるため、一部改正されました。
本条例の施行日は、本年4月1日です。
[人事案件]
≪副市長の再任≫
今月末で任期満了となる高橋生志雄副市長を再任する人事案は、賛成多数(投票により賛成16、反対9)で同意されました。任期は4月1日から4年間です。
≪公平委員会の委員の選任≫
今月末で任期満了となる公平委員会委員の石田清彦氏を再任する人事案が同意されました。
任期は4月1日から3年間です。
今定例会において新政クラブの代表質問を行いました。
以下は通告内容です。
1 市長の政治姿勢について
(1) 平成24年度に臨む基本姿勢について
(2) 市長マニフェストの進ちょく状況と検証・評価について
2 総合計画「HADANO2020プラン」について
(1) 計画の実行性を確保するための財政規律の確保とその見通しについて
(2) リーディングプロジェクトについて
3 平成24年度予算編成の基本姿勢について
(1) 防災対策と子育て支援に力点を置いた予算について
(2) 子育て支援としての子ども会の活性化策について
4 記念事業について
5 交通安全対策について
(1) 子供の自転車交通マナーの向上と安全啓発について
(2) 自転車専用道路の整備について
6 地域産業の活性化対策等について
(1) 西部方面職業技術校(仮称)との連携について
(2) 企業誘致について
7 水道施設の耐震化の推進について
8 スポーツ振興について
9 市税の徴収率向上(コンビニ収納)について
10 広域行政の推進について
(1) 有害鳥獣駆除対策への支援について
(2) 広域観光施策の推進について
11 入札制度について
議会最終日に行った平成24年度秦野市一般会計予算を定めることについての賛成討論の原稿です。
「議案第13号 平成24年度秦野市一般会計予算を定めることについて」討論に先立ちまして、まず、一言申し上げたいと存じます。
昨年3月11日に発生いたしました「東日本大震災」から既に1年余が経ちましたが、今年の3月11日は日曜日ということで、市議会は休会でありました。
この厳粛な議場という中に身を置く者の一人として、改めて、震災により犠牲となられました方々に、哀悼の意を表するとともに、現在もなお、不便な生活を余儀なくされている被災者の皆様、関係者の皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
加えて、多くの秦野市民の皆様から、心ある義援金や支援物資が寄せられ、また、ボランティア活動等といった手が差し伸べられています事に、心より敬意とお礼を申し上げます。
かねて日本国、日本人は、歴史的に見ても、過去の如何なる自然災害や大東亜戦争の敗戦からも、見事に復興を成し遂げてきました。本市においても、さらに絆の深い地域社会を築くことで、再び日本に活力を取り戻すための一助になればと願うものであります。
それでは「議案第13号 平成24年度秦野市一般会計予算を定めることについて」、『新政クラブ』を代表いたしまして、意見と要望を交えて賛成の立場から討論をいたします。
市長が施政方針で述べられましたとおり、我が国の経済状況は、欧州の政府債務危機の顕在化による世界経済の減速や急速な円高により、企業収益、雇用情勢、個人消費など、依然として長いトンネルから抜け出せない状況であります。
さらに、地方自治体を取り巻く社会環境は、本市も例外なく、景気の低迷や高齢化の進行を背景に、生活保護費や国民健康保険事業特別会計などへの繰出金といった、社会保障関係経費の一般財源が増加の一途をたどっており、今後ますます財政の硬直性が進み、財政の自由度や弾力性が狭まっていくことが懸念される所です。
こうした中で、平成24年度の一般会計、歳入歳出予算の総額は、445億4,000万円であります。前年度に比べて9億9,000万円、2.2パーセントの減額となりました。
平成24年度予算編成においては、法人市民税の減、社会保障関係経費の増という構図の中で、
市民サービスの低下を招かぬよう、財政調整基金の活用により、臨時財政対策債の発行を昨年度より「7,000万円」減額されました。
さらに、行財政改革の推進、建設債を合わせた市債の発行総額を元金償還以下に抑えるという財政規律を確保することで、総合計画を着実に推進していくため、健全な予算を編成されたと一定の評価をするところであります。
新年度予算編成の基本姿勢は、先の東日本大震災の教訓等を踏まえ、『防災対策と子育て支援に力点を置いた予算』として編成されました。
その一例を挙げれば、防災対策については、「地域防災計画の見直し」、「自主防災組織への資機材等補助の充実」、「木造住宅の耐震診断に対する補助率の引き上げ」、「水道施設の着実な耐震化の推進」などです。
子育て支援の面では、「小児医療助成費の通院助成対象を小学校4年生までに拡大」、「不育症及び特定不妊治療費の一部助成」、「放課後児童の受入れ対象を4年生まで拡大」などといったものであります。
市民にとっては、十分に満足するような予算案ではないとしても、現下の本市の財政状況を踏まえると、総合的には、限りある財源を苦心して振り向けようとした痕跡が随所に見受けられるところであります。
小児医療助成費の通院助成対象を小学校4年生までに拡大しましたが、新政クラブとして15歳まで早期拡充することを要望いたします。
正直申し上げまして、もう少し将来を見据えた予算、夢のある予算を期待しておりました。
例えば、本市の顔でもある秦野駅周辺のまちづくり整備など、喫緊の行政課題に対し、積極的な行政運営を進めていく姿勢を強く感じる取ることが出来なかったのが残念であります。
また、予算特別委員会でもご指摘させていただきましたが、鶴巻温泉再活性化事業などは、市長がおっしゃられる、「立ち止まる慎重さ」も必要であります。
源泉掘削に約9千万円を投入し、弘法の里湯をリニューアル、お客さんがさほど増えてこない中で、新たな温泉施設の施設設計、そして、料金のあり方等を検討しないまま、温泉旅館への配湯を行う温泉条例の制定と配管布設工事などは、将来に禍根を残すことを懸念いたすものであります。
こうした予算は、『源泉掛け流し予算』であって、まずは、商店街の自助努力の成果や波及効果を検証し、その上で未来予想図をもち、地域活性化や街づくりに繋がる『循環式予算』とすべきであります。
湯けむりに巻かれ不透明なまま事業が推進されることのないよう、適切な予算執行をされますよう切に要望いたします。
最後に、時間を割いて恐縮ではございますが、この3月に市役所を去っていかれます幹部の方々に、御尽力いただきました感謝と御健勝を祈念申し上げまして、賛成討論といたします。
以上
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