2011年10月17日月曜日

日本酒で乾杯


 今日の産経新聞に世界中の日本大使館で行われる天皇誕生日の祝賀会での「日本酒で乾杯を」という記事が掲載されています。
 世界的に乾杯というのは「国酒」で行われるのが通例であります。フランスではワイン、ドイツではビール、ロシアではウォッカです。しかし身近に行われている乾杯は「とりあえずビール」など・・・・国酒と日本酒は扱われていません。
 この様な現状をふまえ、2004年6月に日本酒造組合中央会が推進役となり”日本酒で乾杯”をキャッチフレーズに「日本酒で乾杯推進会議」が発足されました。
 私も秦野青年会議所で講師として招いた「沢の鶴」西村社長のすすめで「日本酒で乾杯推進会議」の会員になっています。
 運動が始まって10年近くたちますがこうした成果を勝ち取る事ができて本当にうれしく思います。

日本酒で乾杯推進会議ホームページhttp://www.sakedekanpai.jp/
「日本酒で乾杯推進会議」設立趣意書~日本文化のルネッサンスを目指して~
“最近のニッポン人には日本が足りない”と多くの心ある日本人は、今日の日本、明日の日本に危惧の念を抱いているのではないでしょうか。
日本が誇りとすべき伝統的な食文化や伝統芸能、伝承していくべき作法や風習もグローバルスタンダードとか高度情報化社会というものの表面的な形にとらわれて次第に失われていこうとしています。
今日のわが国の社会では、学校教育の現場や家庭において、個人の自由とか個性の重視ということにはしるあまり、自己中心主義や物質中心主義が横行し、日本人の美徳であるべき節度や謙譲、和の精神、感謝の念や恥の意識といったかけがえのない「心」が失われてきているように思われます。
また、昨今では冠婚葬祭などの際に行われる伝統的な酒宴までもが形骸化し、日常の食生活においてはファストフードなどの新洋食化が進み、長年培われてきた優れた日本人の味覚は後退し、日本の食文化や生活文化はその存立の基礎を失いつつあります。このままでは、日本社会の荒廃がますます進み、日本人はその誇りを失い、日本の国、日本の文化すべての存続が危うくなってきます。
しかし、一方で、和食や日本酒の海外普及は目を見張るようになりました。欧米では和食や日本酒の評価は年々高まりつつありますが、これも裏を返せば日本の自然と先人の知恵の結晶である日本酒や和食を通して日本文化のよいところが認められているからであり、私どもは日本の素晴らしい文化をしっかりと守り育てていかなければなりません。
私たち日本人は集まって食事をするとき乾杯します。「みなさまのご発展とご健勝を祈念して…」何に向かって祈るのでしょうか。神様、仏様とかを対象とする特別の宗教心ではありません。我々の人知や人間の力を超えたものすべてに対して謙虚に祈るのではないでしょうか。
ニッポン人の心の奥底に宿るものと触れ合うとき、日本人の誇りは甦り、新たな力が湧いてくるのではないでしょうか。
「日本酒で乾杯!」という言葉を象徴にし、日本の文化のよいところを広く啓蒙していく活動を進めていくことが今程必要な時はありません。この運動は、ひとり日本酒業界による日本酒復権運動を目指すものではありません。象徴的なおこないとしての「日本酒で乾杯!」を通じて、日本文化のルネッサンスを広く国民運動として広げていこうとするものです。

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