2017年7月6日木曜日

秦野市における野生鳥獣対策の現状及び課題について

農作物被害の状況について
 秦野市の野生鳥獣による農作物被害については、市の環境保全課が秦野市農業協同組合の協力を得て、販売する農作物の被害調査を三年に一度実施してい
ます。
 この調査結果によれば、市全体の農作物被害金額は、平成二十年度が約三千五百万円、二十三年度が二千四百万円、二十六年度が約一千六百万円と年々被
害金額は減少しています。 また、主な鳥獣別の被害金額については、ニホンジカは、平成二十年度約一千百万円、二十三年度が約七百六十万円、二十六年度が約二百八十万円、イノシシは、平成二十年度が約四百五十万万円、二十三年度が約三百十万円、二十六年度が約百五十万円、ハクビシン等は、平成二十年度が約五百十万円、二十三年度が約四百二十万円、二十六年度が約二百十万円と大幅に被害金額が減少していますが、鳥類だけは、平成二十年度が約四百十万円、二十三年度が約四百万円、二十六年度が約五百万円と近年被害金額が増加しています。
野生鳥獣の捕獲状況について
 秦野市における主な野生鳥獣の捕獲状況の過去三年間(平成二十八年度は平成二十九年一月末現在)の推移については、ニホンジカが平成二十六年度百三十七頭、二十七年度百五十一頭、二十八年年度百八十七頭、イノシシが平成二十六年度五十六頭、二十七年度四十七頭、二十八年度七十七頭と、どちらも捕獲数が増加しています。
 また、ニホンザルについては、平成二十六年度八頭、二十七年度二頭、二十八年度九頭となっており、神奈川県の捕獲許可数の増加に伴って捕獲数が増加しています。
 なお、近年被害が増加している鳥類については、平成二十六年度八百二十四羽、二十七年度一千六羽、二十八年度九百四十三羽と横ばいとなっています。
鳥獣被害防止対策について
秦野市における鳥獣被害防止対策については、「鳥獣による農林水産業等に係る被害防止のための特別措置に関する法律」に基づいて、事業期間を三年とする被害防止計画を定め被害防止対策を実施しています。
 被害防止対策の具体的な内容としては、秦野市農協が主体となって農業者及び猟友会と緊密な連携を図り、銃器及び罠による捕獲を推進するとともに、罠の捕獲効率を高めるための研修会や現地検討会の開催等を実施しています。
 また、捕獲以外の対策としては、既設の地域防護柵の適正な維持管理の支援や未設置地域での効果的な柵の設置に加えて、緩衝帯設置、里山整備、耕作放棄地の解消など地域ぐるみで野生鳥獣を人里や農地に近づけない環境づくりを進めることにしています。
課題について

 秦野市では、捕獲の推進や防護柵設置等の対策を実施することで鳥獣による農作物の被害額は減少していますが、地域の方々からの猟友会に対する有害鳥獣駆除に関する相談は、減少というよりむしろ増加しているように感じています。 これは、農家数の減少に伴う不耕作地等の増加により、鳥獣が農地や人里へ出没し易くなっていることが原因の一つではないかと考えています。私も加入している猟友会としては、人里の近くでは銃器による捕獲はできないため、地域獣害防護柵の適正管理や耕作放棄地の解消等、野生鳥獣を人里に近づけない取り組みを地域の方々にお願いをした上で、効率的な駆除を実施していきたいと考えています。
箱罠捕えられた4頭の猪 市内

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